[セッションレポート] Google Cloudのメディア向けAI AIML101 #GoogleCloudNext
メディア業界において、近年ますますコンテンツ需要が増え続けており、企業はユーザーのニーズに応えるべく生成AIを使った施策を行うことができます。
Google Cloud Next '24の『AI for media: Drive content development and audience engagement』セッションではGoogle Cloud Next '24期間にGAになったVertex AI Searchのメディア業界向け機能を始めとする、メディア企業の困りごとに対するソリューションの紹介がありましたので共有します。
登壇者:Bruno de Figueiredo Melo e Souza (Director of Technology Globo), Albert Lai (Strategic Industries Director, Media & Entertainment Google Cloud), Sachin Padwal (Director - Product Management Google Cloud)
セッション概要
セッションは30分程度のものでしたが、ここでは気になった点について紹介できればと思います。気になった方はぜひセッションをご覧ください。
1. メディア業界におけるAI活用の重要性
動画配信プラットフォームにおいて、コンテンツの検索性やパーソライズは重要です。発表によると、米国の12歳から43歳のユーザーの50%以上が6ヶ月で動画配信プラットフォームを解約してしまいます。1/2は検索のしづらさを課題と感じ、1/3はパーソナライズが非常に重要な要素だと答えることから、AIの技術を活用してこの課題が解決するのであればとても素晴らしいです。
一方で、これらの取り組みは既に多くのメディア企業で挑戦されているものの、多くの技術的/ビジネス的課題があることが分かっており、なかなか簡単にはいきません。課題には資料に紹介されているように、例えばレコメンデーションのコールドスタート問題などがあります。
2. Google Cloudのメディア業界へのこれまでの取り組み
Google Cloudでは既にTranscoder APIなどを始めとするメディア向けのサービスが提供されていました。
これらのAPIとHuman-In-The-Loopレベルの品質のAIを利用することで全て人力でなくても非常に効率的に様々な言語のキャプションをつけるといったことが可能になります。Geminiをはじめとする生成AIの翻訳は非常に優秀で、私も最近はよく利用するようになりました。
このセッションでは特に、その次を行くサービスとして特にAIベースのマネージドサービスの紹介がありました。
3. Vertex AIの新機能
セッションとほぼ同時に一般提供開始したVertex AI Searchのメディア業界向け機能について紹介がありました。Vertex AI Searchを使うことにより、フルマネージドでパーソナライズおよびコンテンツ検索の機能を実現できるようです。特に、メタデータを使うことで登場人物からコンテンツを検索するといったこともできるそうです。
この機能についてのリリースノートは以下になります。
今回のリリースを持って、日本語にも対応しました。テレビのリモコンから文字を入力するたびに検索を実行するようなユースケースに使えるSearch-as-you-typeの機能もAPIおよびウィジェットから利用可能です。
メディアアプリの作成のためにはJSONスキーマドキュメントの用意が必要のようですが、メディアアプリとデータストアの作成はコンソールから簡単に実施できそうです。
最後に
メディアサービスにおけるパーソナライズや高い検索性の必要性が改めてとてもよく理解できました。また紹介があったように、日本語でも利用可能なメディアアプリの作成のためのマネージドサービスが一般提供開始しました。Google Cloudによるメディア向けアプリの開発がますます便利になりそうです。
最後になりますが、Next '24 の翌週に帰国したばかりの現地参加メンバーが振り返り勉強会を行いますので是非とも現地でご参加ください!